「インボイス制度スタート」って朝のニュースでちらっとやってた。
インボイス制度についてはとくに触れるつもりはなかったけどまぁ記録として、ついでに業界の思うところを少しだけ書いておきます。
僕は対応済みなので今日から課税事業者。
さぁ大変だ..(^▽^;).
コンビニも今日から対応。
個人的に心配なので仕事先で駐車するパーキング。大手はすでに対応済みだけど、小規模なところは今日からちゃんと対応してるかな?
インボイス制度についてはネットでは反対運動など話題になっていますがそれについてコメントすることはありません。
制度自体は数年前から話は出ていたし、この1年は業務用の会計ソフトもCMでさんざんインボイス対応について放送されてきています。
ネットで反対するコメントや意見。分かるっちゃ分かる。それに反論する人たちのコメント。こちらも至極ごもっとも。
個人事業主の多いこの国、とくに業界でもかなりの反対運動も起きていましたし、SNSでは反対署名活動も盛んに行われています。カメラマン業界だけでなくアニメ・声優など多くの業界で困る人が出るとか廃業する人がでるとか。。
消費税そのものの時もそうだったけど、反対したところで止まらない。と言うか、大手企業含めてシステムの入れ替えなど行なっている中で、ひたすらただ反対するのもどうかとも感じる。
まぁ色々大変な作業が増えることは事実だし、それさえも実際には始まってみないと「やっぱこれ大変だ!」と実感するのは関係各所、大手企業含めて年末くらいになる気もする。
どこかのサイトでざっくりとインボイス対応についての統計が出ていましたが、法人は全体として97%くらいが登録。免税事業者は業種にかかわらず全体の60%後半?くらいが登録済みと言う感じらしい。
では、反対運動しているクリエイティブ関係はどうだろう?
フリーのカメラマンや写真家など、とりあえず僕の周りでも8月くらいから「インボイスどうする?」の声が少し増えてきた。
見聞きした感じでは、僕の周りの団体関係など含めてフリーランスのカメラマン達の6~7割がインボイス登録しないと言う結論。
正直、しないカメラマンが多いのは少し驚いた。
まぁ若い子に至っては「インボイスって結局なに?」って言う人たちも未だに多い。
僕自身も相談されるけど全部分かって答えられるわけじゃないしね。
もちろん各々の仕事内容や関係企業との絡みもあるし、スナップ関係では仕事派遣会社の多くが「どちらでもいいよ」と言うことらしい。
一方、大手企業とのお付き合いが多いところではそうは言ってもやはりちゃんとしないといけない感じもある。
出版社や企業からは今年に入ってから「調査」名目でインボイス対応についてのアンケートも多くきていました。
もちろん出版社でも企業でも「どちらでもいいよ」と言うところも多いし、政府としてもそれによる仕事切りはしてはいけないとなってはいます。
ただそうは言ってもそれぞれの手間がどれだけ大変かは金額の大小ではなく実際に始まってみないと分からないしね。地方のどこかの県の調べでは、そのまま取引が約6割、分からないが約3割、取引しないが1割強あったとか。。
1,000万以下の個人事業主が免税事業主となっているけど、今回の問題ではもう少し分けて考えてほしいとも思う。
「クリエイティブ」と言えば聞こえはいいけど、個人事業主の多いこの業界。カメラマンはデジタルになってカメラ・ソフト性能も格段に上がり、フィルム時代後半よりも遥かにフリーランスが増えた。修行しなくても簡単にカメラマンになれるし、ネットのお陰様で安くても簡単に仕事もできる時代にもなった。
ただ、ネットでもたまに出てくる実際の年収で話題になるけど、多くのフリーランスは年収300~500万くらいの方が圧倒的に多い。そう言う人たちからみれば、1,000万近く年収がある人たちがすでに羨ましい。
個人的には免税事業者と言っても、せめて1,000万以下の人たちと500万以下の人たちの二段階でも何かしら対応を分けて考えてもらいたいとも感じます。
今回、とくに問題視されているのは大きく3つくらいかな?
・インボイス対応による手間やそれに関わる追加投資や経費、何より消費税の納税。
・免税業者のままでいると仕事を失う心配。
・実質的な値下げ。
とくに廃業と騒がれる内容は、仕事を失うかもと言うことや実質的な値下げと言うか減収。
そもそも「写真」の価値や価格は、カメラマンと言う仕事でも業種によって価格帯や考え方が違う。これはフィルム時代からそうで、広告と雑誌の所謂その時だけの記事写真でも違うし、ブライダルや学校写真でも単価は違う。写真はセンスだなんだと言う以前に技術職であったと思うんだけど、現在はカメラ・ソフトの進化で「誰でも簡単にぱっと見、綺麗に見える」。お陰様で誰でも簡単にカメラマンにも写真家にもなれる。
そのせいか、鶏・卵はわからんが、仕事の価格も年々安くなる。最近では「格安でカメラマン派遣」のネット会社もどんどん増え、1時間でカメラマンのギャラ7,000円てのもある。話逸れるけど、格安派遣カメラマンは問題もかなり出ていると聞こえてます。
雑誌やブライダル・学校写真などスナップ写真だと昔から日当で15,000円くらいから30,000円てのがざらで、キリよくしているけど免税業者なので、実際は内税。それ混みで収入となっていた。
問題は、それらで年収になって生活しているのに、今回そこから消費税を払うもしくは引かれると言うことで、実質的な値下げで「収入減」になると言うこと。
これらに関わる人にとって良い企業とは、なので、従来の価格から消費税分値上げしてくれる対応をしてくれるところ。まぁ実際にはほぼないんだろうけどね。
政府は企業に対する賃金アップを求めてくれてはいるけど、この業界はその動きは正直皆無な気がしています。
僕の知人で法人のカメラマンはフリーのアシスタントがインボイスをしないので、その分アシスタント料を値上げするそうです。
皆んなでそう出来るといいよね。
物価も上がり続け、生活も厳しくなっている中、写真の仕事は「”時給”で募集」が増える一方。
仕事には人が関わり、だからこそ本当の意味で皆んなでちゃんとした仕事ができるようにギャランティに関してもクライアント、仲介会社含めて時代に合わせた対応と何より「本来は技術職」である写真の価値を中途半端に下げたり扱ったりしない社会になるといいですね。もちろんカメラマン側は社会人として「その責任」を持って仕事するのが前提。