DxO PhotoLab6 リリース! PureRAW2を超える最強の『DeepPRIME XD』 |
DxOをメインで使っている写真家は少ないかも知れません。僕の知人でもPhotoLabをメインで使っているのは一人かな?
僕自身は仕事のジャンルによりますが、PhotoLabになる前のOpticsから前処理として『RAW→RAW(DNG)』変換で使っています。現在も他の現像ソフトには無い優秀な機能がいくつかあるので高品質な画像作成では必須のツールですよね。
昨今は『RAW→RAW(DNG)』変換ツールとして話題になっている『PureRAW(2)』が人気ですが、その機能のメインである『DeepPRIME(ノイズを除去して、かつディテールを最大限に出す)』機能。
これはPhotoLab(前Optics)で使われている「ノイズ除去」や「ディテール再現の為のシャープ処理」機能をさらに進化させて『RAW→RAW(DNG)』変換ソフトとして使用したものです。正確にはそもそものデモザイク処理からなので、PureRAW2の方が優秀でしたが。。
なので、極論で言えば色味や明るさ調整も行い、パース処理も含めてDNGにしたいと言う事であれば、「PureRaw」ではなく、PhotoLabを使えば良いと言うことになります。
しかし、『DeepPRIME』が単体ソフトになってからデモザイク処理を含めて、大きく進化し高性能になりました。なので、PhotoLab5の「DeepPRIME」ではPureRAWと同品質にはなりませんでした。
今回の『DxO PhotoLab6』アップデートではそれらを含めて強力なアップデートが行われました。新たな機能は以下になります。
◎PhotoLab6の新機能
・DeepPRIME XD
PureRAWで進化したDeepPRIMEの技術をさらに向上して搭載。処理能力はPureRAWより上か?
・DxO ワイド作業色域を導入
以前までは色空間が謎でした。昔はAdobeRGBか?モニタカラーか?とも言われてましたが、今回のアップデートでもろもろ機能として搭載されました。果たして??
・新しいソフト校正モード
これもカラーマネジメントに関わる部分です。どうでしょうか?
・新しいRetouchツール
ソースポイントの回転、反転、変形させてソースエリアを編集できるようになった
・新しいプロジェクトのネスト機能
・クロップツールの改善
クロップツールで画像を回転出来るようになった
・パース補正ツールを組み込み
パース補正ツール(キーストーニング)をELITE版でネイティブで使用できるようになった
・新しいカラーラベルのサポート
・新しいEXIF&ITPCフィールド
・ソースツリーの新しい固定ヘッダー:UIの刷新
・現在、77,000以上のカメラとレンズの組み合わせ
全部は紹介出来ませんので、個人的にとくに気になった点、「DeepPRIME XD」と「DxO ワイド作業色域」を検証含めて紹介します。
カラマネのところは「やっとか!」と期待して検証したところ、ちょっと「???」にぶつかりました。。(゚-゚;)ウーン
あまりにも原因が気になり、、仕事も忙しいのに合間合間で結果的にたっぷり時間をかけて検証しました。気がつくと今月もいっぱいいっぱい。。\(;゚∇゚)/検証してる場合ちゃう!
と言っても後の祭り、全部は解消しきれなかったけど、いつくかは理解できた。
個人的にも要望を挙げていただけにちょっとショックも大きいし、ブログ見てる数少ない読者で、PhotoLab6を購入する方もいるかも知れないので、注意点は書いておきます。
その前に、まずは何と言っても、PureRawに超されていた『DeepPRIME』の進化。これに関してはPureRaw2よりも遥かに強力です!w( ̄o ̄)w オオー
まずは違いを見ましょう。とりあえず20カットくらい検証しましたが、3つほど紹介します。
キヤノンの旧機種のCR.2です。CameraRawのAdobeプロファイルは「ニュートラル」で検証します。他のAdobeプロファイルはそもそもシャドー部を潰しやすいので。
当然ながら元RAWのままでは、かなりノイズが出ます。画像はディテールが潰れない程度に無理やり補正しています。
僕は以前よりPureRAWのシャープ処理に関しては「全体レンズシャープネス」は使用しない方が良いとお伝えしています。理由はそもそも画像を構成している成分や量によってシャープ量自体も変わるからです。今回はそれは置いておいて、比較としてシャープ無しのものから全体シャープのものまでで比較しました。
もうひとつ見ましょう。
これは中央部はさすがにアンダーなのでCameraRawでは絵は出てきますが、流石にノイズがひどい。PureRAW2は比べてみるとシャドー部の再現幅が意外に少ない画像でした。PhotoLab6は比べるとかなりすごいです。
PureRAWのノイズ処理にはものすごく感動して今では必須のソフトではありますが、PhotoLab6の『DeepPRIME XD』はさらに上をいくシャドー部の再現を行なっています。
ただし、、、、(-_-;)|||
PhotoLab6で、『DeepPRIME XD』のためだけに『RAW→RAW(DNG)』変換を行うには残念ながら処理時間がめちゃくちゃかかります。
今回機種の違う画像のRAWデータ15枚をまとめて変換してみましたが、PureRawではおよそ5分。
しかし、PhotoLab6では13分以上かかりました。
試しにHDR用素材290カットをなげてみたら、、、まさかの6時間かかった。。|||||/( ̄ロ ̄;)\|||||||
PCのスペックによるとは言え、決して早くはありません。そこのところを加味して判断ですね。
でも、、『DeepPRIME XD』はかなり良いです。
PhotoLab6で『RAW→RAW(DNG)』変換する際の注意点。
新機能の『作業色域』のところで、新しい『DxO ワイド色域』は使わない方が良いです。
デフォルト(確か)の「クラシック(レガシー)」で処理しましょう。詳しくは以下で。
PureRawと同じようにDNGで書き出すのは、調整項目の『ディテール』の「DxO Denoising Technologies」のところで『DeepPRIME XD』を選択して、シャープ関係を足したい場合は「レンズシャープ」「アンシャープマスク」を画像にあわせて調整します。それ以外の項目は全てオフにしてDNGで書き出し(エクスポート)します。
さて、問題は「色について」です。
そもそもDxOはジェローム・メニエールが1994年にVision IQを設立し、コンピューター支援型監視システムの中でカメラの機能において厄介なカメラとレンズの組み合わせによるレンズの欠陥を補正することに取り組んできました。その後2003年に多くの写真家がVision IQが持っているそのテクノロジーをデジタルフォトの世界で活かせること希望し現在に至ります。たしか、、そんな感じ。。
なので、DxOはレンズの欠陥を補正する知識・補正技術に関しては世界一で、よく知られるカメラとレンズの組み合わせで補正する「レンズプロファイル」ですが、これはDxOがスタートでした。
現在は歪み、倍率色収差などはAdobeやCaptureOneなどでも有名ですが、まだ他社には無くてDxOのみの補正機能もあります。この話はまたいずれ。
なので、レンズ解析を中心としてRAW現像ソフトとしてはかなり優秀な機能を持ち合わせてはいるのですが、残念ながら色と「カラーマネジメント」に関してはかなり遅れてます。
今回の新機能「DxO ワイド作業色域を導入」「新しいソフト校正モード」でカラーマネジメントに関わる部分をようやく導入したのですが、、ちょっと良く無いです。結論から言っておくとタングステンなど電球色系の色が大半を占めるような画像では『ワイド作業色空間』は使用しない方が良いです。
そもそもRAW現像ソフトにはソフト側でベースとなる色空間(ICCプロファイルの運用)が必要です。そのうち書くつもりでいましたが、一番最近(それでもかなり前ですが、)ではハッセルの『Phocus』がバージョン1の時点ではAdobeRGB並みの色空間でしかソフトを運用出来ていませんでした。しかしカメラ個々の色空間は”それよりも広い部分もある”ため、バージョン3(2だったかな?)で、より広い独自の色空間を作成しました。
・・この話もまたいずれ・・・
さて、「DxO ワイド作業色域を導入」と告知されるものだから、検証しようと喜んでOSの中を見たものの、、それらしき物が無い。。。・・・(゚_゚i)アレ?ー・・・
さらに上記に書いたような画像によっては「DxO ワイド色域」を使用すると明らかに彩度過多になる赤(マゼンタ)系を強くして、それ以外の色も明らかに彩度が強くなる。ハイライトに強い処理で色を載せる感じになっていますが、HDRモードに対応させてるわけではない。
OS上にプロファイルは存在しないので、ソフトウエア上だけで存在するのか、もしくは指定された色まで拡張されるのか、、いずれにせよ本来ある色座標を動かす必要はないにも関わらず色座標が大きく動きます。
PhotoLab6の場合は、色に係るカラー関係の処理を全てオフにして「クラシック(レガシー)」設定でDNGに書き出すとDNGの色は変更されません。
しかし、「DxO ワイド色域」でDNG書き出しをすると、元のRAWの色にDxOカラーが加わりますので、従来とは少し違う色でAdobeが色出しをします。
もちろん、従来の『一般的な普通の写真』であればあまり気にならないかも知れませんが、少し上の画像のように全体にアンバー系が強かったり、赤いライトのような色は色相が大きく変わります。シャドー部の「わずかな赤み」などがある場合、赤みが強調されます。赤はシフトするし薄い青が濃くなる場合もあったり、、。
個人的には、そもそもRAWで記録された色の座標点は固定されているものであり、メーカー個々に解析が違うことはあると思いますが、ICCプロファイルによる色空間の広がりは元の座標点に大きくは差がありませんん。データはあくまでその時その場の色ですから。。
サイトの紹介では、広い色域で赤い花が飽和せずに諧調が出るのでAdobeRGBをはるかに超える鮮やかな画像を見て調整できると言う、どこかで聞いたような良い説明が出ている。
しかし、それは現実に人の目で見ても痛くなるような彩度の強い色がそこにあって、実際にその高彩度を記録した場合です。そもそもsRGBの範囲に収まっているカラーまで動かす話ではない。
PhotoLab6は、色に係る調整部分がいくつもあって、それらが設定ごとに大きく色出しそのものを変えます。
「ワイド色域」は、作業色域と言う項目なので、本来は作業色空間だけのはずで、おそらくはProPhotoRGBもしくはそれに近い色表現に見えます。しかし本来、作業色空間はデータの「色」そのものを動かすものではないので、色相や彩度が大きく動くようなことがあっては困ります。
ところがPhotoLab6の場合は、通常のいわゆる作業色空間とは違う動きをします。広い何らかの色空間を使いその中で最大の色が出るようにデータそのもの色も動かすような感じに見える画像もあります。
要するに作業色空間とそれに合わせた独自カラープロファイルを足した感じです。
好みもあるかも知れませんが、元々「朱色」の物体が、マゼンタ寄りの赤に変わるのはいただけません。。・・・(゚_゚i)タラー・・・
ソフトプルーフも付いて全体としてはカラーマネジメントとして色を意識して調整出来ますが、色全体の動きとしてはイマイチ良い感じに仕上がっていません。
作業する場合は、カラー設定含めていろいろチェックがが必要になると思います。
シンプル設定のRAW現像ソフトしか使ってない方にはさらに少し難しいソフトになってきてますよね。
あ~~なんか書いてることもしっちゃかめっちゃかですね。。すみません。(^▽^;)..
もうタイムアップです。整理と続きはまた来月以降ですね。。(-"-;)