データをダメにするカスタムプロファイルに気をつけて |
これってどうなのよ!と、問い合わせが入ったけど、ちょっと忙しくて手に負えない。。
けど、、しょうがないので愚痴だけざっくり書く。。( ̄Д ̄;;
すでにいくつかセミナーや現場指導で話してましたが、、
先日Adobeがカスタムプロファイルについて発表されました。
Adobeとしてもこれは「上級者向けですよ」と、簡単に考えて使用して欲しくない旨を踏まえて説明されてますが、ちゃんと伝わるかは怪しい。。
カスタムプロファイル作成機能はACR10.3で搭載された機能です。僕のブログでも最後に隠しコマンドがあるとだけ伏せて書きましたが、理由はAdobeがACR10.3の発表の中で触れてなかったから。なので、僕の方も書かない方が良いと考えひかえました。実際この機能は難しいので。
デジタルを正しく理解している方であれば、プロファイルの必要性と危険性をしっかりと認識出来ているはずです。ただ、本当にプロファイルは『諸刃の剣』で使い方を間違えるとデータを簡単に劣化・破綻させます。
問い合わせは、有料無料のプロファイルがあり使用してみたけど、プロファイルはこれでいいの?と言う疑問と質問でした。
様子を見てから書こうと以前のブログでは書きましたが、まさにこれで、、安易に『自己主張された俺様プロファイル』は危険なものがすごく多い。プロファイルとプリセットの違いも正しく理解してない方が作るカスタムプロファイルほど酷いものはない。
時間がないので、簡単に作例作ります。元画像

海外でもすでにオリジナルプリセットで話題のメーカーからいくつも同じように「プロファイル」が出ています。
無料でもいくつか出ているので試しましたが、どれも酷い。。

これは「ナチュラル」的な名前になってますが、何一つ『ナチュラル』になるものはない。。ナチュラルって何さ。。∑(; ̄□ ̄A アセアセ

これらは「プリセットの場合」は大概がトーンカーブやシャドー・黒レベルの操作なので、戻せば良いだけで、すぐにシャドー側の階調を出すことも表現することもできます。しかし、「プロファイル」は3D LUT含めその潰した状態で固定しているので、そこからシャドー部の階調は出てきません。
さらにイメージの名の下に色の調子を偏らせたものも含めるともう大変です。

選択するだけで、ぱっと見雰囲気は出るのかも知れませんが、潰れたシャドー・ハイライトの階調・調子は復活出来ませんし、色も内部でかなり偏った状態で固まってますので、正しく微調整出来ません。上のような画像の場合はイエローやグリーンが中間部でクリップされそれ以上の色が出ません。内部の階調もかなり破綻しており、微調整の幅も余裕がないものが多いです。いろんなものがあるけど、どれもプロファイルを使用するとそれ以上の微調整、特に調子を取り戻すための調整は出来ないものが多い。作った方は簡単にイメージが得られると自信満々だけど、破綻していてどうにもならない。。
プロファイルはRAW調整(現像)のスタートに決める『絵作り(方向性)』であり、本来はそこから各種調整スライダーを動かして自分の作品を追い込んでいくためのものでなければなりません。
そうでなければ、おもちゃカメラのエフェクトフィルターと同じになります。RAWで使わずにJPEGなりに使用して、ぱっと見だけの変更で楽しめばいい。どうせ階調潰してるんだから。。
いくつか無料を試しましたが、どれも本当に酷い。
なんでRAW調整(現像)のスタートからデータを潰されなきゃいかんのだ。。意味が分からん。。(-_-メ;)
ほんと平気でデータ潰しをするカスタムプロファイルは多いので気をつけて。
カスタムプロファイルは神経を使います。自分で作れば分かりますが、必要なのかどうかすごく悩みますし、作ったプロファイルを使用してさらに調整しようとすると「これ動かしたものがすでに入っているよなぁ」と問題ないのに考えると余計に無駄に意味を考える。なんのためにカスタムを作ると仕事で意義があるのか考えてみましょう。
ちょっと色々あって荒れちゃったのと、時間がなくて一気に書いたので、乱文になって申し訳ありませんが、プロファイルの意味と中身、目的、正しいデジタルの理解をしっかりと持って利用してください。「プリセット」と違って『プロファイル』は中身が見えません。かえって危険なことも多くなってきます。オレ流プロファイルにデータを壊されないように気をつけましょう。
流行りや雰囲気、イメージ優先で、階調なんかどうでもいいのなら好きに使えばいいだけですが。。
落ち着いたら僕ももう少し詳しく書くつもりです。
ちょっと予言しておこう。
今後、デジタルもカラマネも正確に理解していない写真家やアマチュアなど、多くの方から自信満々に『俺様プロファイル』がたくさん作られ、有料無料で配布されるでしょう。かっこいい名前をつけて、すごいでしょう?あっという間に雰囲気の出るちょっとかっこいいプロファイル使ったぜ、、って。
そんなことが起きなければいいのですが。。世の中さもありなん、、でね。。
だってカスタムプロファイルを作りたい方の多くは結局そうでしょ?販売目的か自己主張の割合の方が多いいから。。
通常使用で、しっかりRAW調整できる人はイメージ含めて、いつでも作り込めます。誰かが作ったプリセットやイメージプロファイルなんて必要ない。デジタルを正しく理解していて責任感のある人は無責任にプロファイルをばら撒かない。はず。。
もちろんちゃんとした目的でしっかりとしたプロファイルを作る人もいます。有効利用も当然出来ます。正しく使えば最強の機能の一つです。プリセットと仕組みの違うことからメリットも大きいですが、反面プリセットではありえないデメリットもかなり大きい。正しい理解も同時に広まることを願うだけです。
業務で行う場合の通常使用でのカスタムプロファイルは便利なことがあります。ただそれはある意味地味ですごく些細なことかもしれません。でも確実に仕事で使える便利な使い方。それらは単純なイメージプロファイルとは違うので、ぱっと見の面白さではありません。
プロは正しく有効利用してもらえるといいなと思います。