Lightroom Classic CC 範囲マスク(色・輝度範囲マスク)の使い方! CameraRaw新機能④ |
21.11.18
21年秋のMAXでCameraRaw14が発表されました。
Lightroom系にも当然入ります。さらに進化した『マスク』機能。
めちゃくちゃ便利になりましたが、使いこなすためには見た目の単純な操作だけでなく根っこの仕組みの部分も理解しておいた方が良いです。
今回は、ローカル調整のそもそものポイント含めて大事な部分をがっつりと書きました。
Lightroomユーザーはとくにしっかりと根っこを確認しましょう。
興味のある方、リストは以下の記事からどうぞ!
従来のLightroom CCが「Lightroom Classic CC」に名称が変わりましたね。Lrは毎回メジャーアップで良くも悪くも話題を作りますが、
すでに海外も含めて現像モジュールの新機能「範囲マスク」がかなり好評で盛り上がっています。
ネットの盛り上がりを見ると、海外はそうでもないけど、国内は予想通りLC CCの範囲マスクばかり盛り上がり、ACR10での話題はほぼ「0」ですよね。。分かっちゃいたけど、やっぱ何か悔しいな。。(-。-;)
『CameraRaw10に新機能』が付いたので、当然「Lightroom Classic CC現像モジュール」にも付きます。<( ̄^ ̄)>
僕の方はいつものごとくCameraRawでの新機能のポイントをすでにいくつか書きましたが、慌てて書いたせいもあり、読みにくいのはご勘弁ください。あ、今回も読みにくいかも。。いつものことだねww
さて、今回はタイトルでLrとしました。コバさんがLr書くの?と思われるかもしれませんが、、
はい、そうです。書きませんよww
やはり説明はCameraRawで書きます。Lr系だけで盛り上がるのはやはり悔しいのでね。( ̄∀ ̄*)イヒッ
あらためて要点を含めて調整のポイントを書きます。
部分補正(ブラシ、段階フィルター、円形フィルター)の機能の中に新たに「輝度」や「色」による一定の範囲を指定してマスクを作る機能が出来ました。
これにより、画像全体のクオリティを「より部分的」に精度をあげて調整することが出来るようになりました。
単体カットでの補正はもちろん、複数カットへの設定のコピーも出来ます。(これは過去記事参照。)
◎色範囲マスク(Color Range Mask)
これが一番盛り上がってますが、作例や記事で気になるものをよく見かけます。
風景写真で段階フィルターを使い、空の部分にかけてマスクをしてから青空の青を指定して調整。「すごい」となっていますが、、
作例によっては、ごめん「その使い方なら『ターゲットツールHSL』でもいいんじゃね?」と思う記事を見かけます。
大事な考え方は2つ
一つ目はこの作例の場合もそうですが、全体の中から色を指定する場合はその色指定された部分が『ターゲットツールHSL』操作では『目的の調整』に合わない場合。
選択した色に対してHSL操作ではなく、露光量補正はもちろん、シャープや明瞭度、ノイズ処理など細かく調整を行えるのがメリットになります。
もう一つは、画像の中の「一部分の色」に対して「同じ色味があるけど、とくにこの部分だけ調整したい」場合になります。この場合は従来の『ターゲットツールHSL』では対応出来なかったからです。
大枠としては、この2つから必要な調整を細かく処理するための機能ですね。
選択範囲の確認は上の画像のようにマスク表示かオプションを押しながら(輝度範囲マスクも同様)色域指定スライダーをクリックすることで白黒で確認できます。
部分補正で選択範囲を決めたら、新しい機能「範囲マスク」のプルタブから「カラー」を選択します。
ポインタがスポイトに変わるので、調整したい色味の部分をクリックします。
クリックした場所にスポイトマークが表示されます。
色域指定のスライダーを使って色値の幅(近似色による影響範囲)を広げたり狭くしたり出来ます。
似た色なのに色域指定スライダーでカバーされない場合や、逆にそれでは悪影響になるので、影響範囲をむやみに増やさずにピンポイントで選択色を増やす場合はシフトを押しながら追加したい色をクリックして影響範囲を増やすことが出来ます。
前回触れなかったポイントですが、やり直したい場合は最初に指定したい場所をそのまま再度クリックするとそれまでのものが消えて一からやり直せます。
追加できるスポイトは4つで合計5つまで色範囲を指定できます。
もちろん全く違う色でも選択できます。
が、やはり画像全体の中から色を選んでHSL的な処理しかしないのであれば、『ターゲットツールHSL』で十分です。パフォーマンスの部分も関わってきますので、調整目的に合わせてしっかり使い分けを行いましょう。
モデルや人物撮影の時、メイクや地肌、ストロボや環境光で肌色が「かぶり」などで違う場合に、肌色の中の一部分の色味を調整するのは難儀でした。C1には「均一」があったので羨ましかったですよね。
◎輝度範囲マスク(Luminance Lange Mask)
画像全体の明るさ(輝度)から調整影響範囲を指定します。
これにより従来よりもはるかに精度を上げて部分補正が出来ます。
色範囲と同じですが、メリットは画像全体の中から輝度部分を基準に簡単に範囲を指定できるし、さらに「ある一部分の中からさらに輝度で範囲を指定できる』ことがメリットになります。
イメージの追い込みはもちろんですが、やはり従来の機能では出来なかった部分も使いこなしの中に入れてもらえると嬉しいですね。
前回書きましたが、再度書いておきます。やはり画質・クオリティに関わるノイズ処理の部分は大切です。
そもそも、1枚のRAWデータからの処理で「ノイズ処理とディテール保持」には無理があります。
従来の場合は高感度はもちろんですが、とくに夜景やアンダーからおこした画像など、シャドー部に出るノイズ処理をしようとすると、本来あるハイライト部のディテールも損なうことになります。ノイズ処理はボカシをかけます。
ディテールタブの精度もかなり良くはなっていますが、ノイズ処理を行えば必ず細かく微細なディテールは失います。ディテールは復活すると言っても完璧ではありません。
とくにシャドー部とハイライト部は分かれていないので、シャドー部処理をすればハイライト部分のディテールはどうしても一緒に失います。出来ればそこは分けて処理したい。
かと言って、ブラシ補正である程度シャドー部を選択しようとしても限界がありますし、選択された部分でシャドー部を中心にとか露光量その他の補正は出来ますが、ノイズ処理は選択された範囲全てにかかります。これは致し方ない。
なので、今回の新機能はとても良いですよね。
部分補正『輝度範囲マスク』を使うとより精度高くシャドー部だけを選択出来ます。
シャドー部の露光量補正はもとより、ノイズ・ディテール処理も確実に「選択されたシャドー部」だけに行えます。
RAW調整のキモはヒストグラムを見ながら目的の色で飛び潰れのないデータを作ることです。ハイキーもローキーも原則は同じです。
画像成分として白黒部分もそれなりにある時、もしくは柔らかな画像で、白黒成分が少ない場合、中間調あたりがネムくてスッキリ・しゃっきりしない画ってありますよね?
コントラストスライダーを使うことが多いですが、このスライダーはヒストグラムの真ん中から両サイドにピクセルを広げるか真ん中へ集めるかのシンプルな設計です。柔らかな画像の中で中間調を操作するには向いていません。
なので今回の新機能はとても便利で、簡単に輝度スライダーで中間調のみに様々な調整を行うことが出来るようになりました。
もちろんコントラストだけ調整するのであれば、トーンカーブを使えば済む話です。
範囲マスクの利点は、調整したい輝度エリア(色範囲)の中で露光量系や明瞭度、シャープ・ノイズ処理など細かく表現に関わる処理が出来ると言うことです。
店舗や建築などで、HDR処理後の修正でも、照明や看板、サインなどハイライト部分のみのディテール再現処理をより簡単に追い込めるようになりました。
どれも作例は良くないですが。。
ハイライト部分のディテールを中心にした処理、中間調の再現、シャドー部の再現やノイズ処理など、画像全体のクオリティを今まで以上に細かく丁寧に、しかも選択範囲を簡単に指定して処理出来るようになりました。
輝度範囲マスクは最強です!是非、明るさを読み解きながら目的の画像を作りましょう!
相変わらず、シャープ系は弱いので、Photoshopがいらないとは言えませんが、作品の完成度を今まで以上に上げることが出来ます。
簡単と言いながら、手間は増えていきますが、より良い作品作りと効率は比例しません。
まだまだRAW調整ソフトに求めることはたくさんありますが、今回は画像をさらに深く表現できる機能としては最高の機能ですよね。
作品としてのイメージの追い込みもいくつかの考え方、処理の仕方がありますが、それはまたいずれ。
とりあえずはセミナーでお話しさせていただきます。