iPhone7の色域 |
昨年のセミナーで質問のあったiPhone7の色域(色再現)
PCやデバイスのディスプレイの性能もどんどん良くなるけど、どの位良くなっているのか言葉では解りにくい。
で、いつものごとくColorEdgeCGシリーズのColoNavigator6のデバイスエミュレーション機能でiPhone7の色域を計測してみた。
予想より遥かに大きくて驚いた。
今回は明るめで計測、白色点は6919K
(計測時の明るさによって白色点は変わります。おおよそ6500k~7200k位でしょうか。Munkiで測った時は6644kだったしね。コントラストも変わります。)
ちなみに過去の色域はこんな感じ。
sRGBを基準に表現するのは仕方ありませんが、ここまで大きいとAdobeRGBと比べた方が分かりやすい。
ほぼほぼAdobeRGBをカバーしています。
一方、Appleが主張しているのは『デジタル映画業界基準のP3』広色域。(これはDCI規格のDCI-P3をベースにICCプロファイルに定義したものですが、これまた業界あるあるでDCI規格そのままと表現されていることがありますが、基準が違いますのでそのままではありません。)
Display P3とsRGBの違い
Display P3は赤系の再現がより広くなっているとされています。
計測したiPhone7の色域と定義されているDisplay P3で比較するとこんな感じ。
以前まではWIN系もそうですが、ディスプレイの色域に関しては各社そこまで誇張することもなく、実際はsRGBより小さい時代からスタートして、新機種が出るたび少しずつ色域も大きくなってきた。それでもその部分は大きく宣伝することはなく、iPhone6の時はsRGBより少し大きい程度の色域で、sRGBをカバーしているWEB利用での安心感を強調していた気がする。
その中でAppleはここ数年タブレットに重きを置いて2015年からある方向性を示唆し、昨年までの各機種のアップグレードで色表現に関する改善を行ってきました。MacBookProではsRGBより25%大きいカラースペース「P3カラー」に対応と言い、iPad,iPhoneではデジタル映画業界のものと同じ色域として『Display P3』を定義しました。
WWDC2016でも発表されてましたが、iOS9.3でOSをカラーマネジメントに対応させ、iPhone7で各種デバイスの一応の段取りが整いました。
この辺りは次回にまた少しだけ突っ込んで触れてみたいと思います。